ここは精霊のすむ緑豊かな島。
精霊によってボタンから生み出されたウサギのぬいぐるみー―ボタンウサギたちが、平和に楽しく暮らしていた。
彼らは大地からの恵みに感謝しながら日々を過ごし、精霊もまた彼らを祝福し恵みを授けた。
ところがある時魔女が現れ、彼らのボタンの目に魅せられる。
魔女はボタン欲しさに非力なウサギたちを狩り始め、この地は恐怖に包まれた。
精霊は深く悲しみ、この地から消えようとしていた…。
そんな中、ボタンウサギの中から仲間を助け果敢に魔女に立ち向かう者が現れる。
やがてひとり、ふたりと彼に続く者が…。
彼らの懸命な姿に救いを見出した精霊は、ボタンウサギたちと協力して魔女から力を奪うことに成功。再びこの地に平和を取り戻した。
そして勇敢なるボタンウサギとその子孫が住むこの土地への加護を約束し、彼を初代国王とする「縫々王国」を建国したのであった。
それから長い年月が流れ―――。
現在、13代目国王によって統治されている縫々王国では、平和を愛するウサギのぬいぐるみたちが陽気に楽しく暮らしていた。
彼らの楽しみは、踊ること・美味しいものを食べること・そして誰かのうわさ話!
中央部と呼ばれる地区には、国王の住居であり政治の拠点となるヌイーンブルク城が。
国の真ん中に位置する離島には、かつて力を失い体を小さくされた魔女が、精霊との契約のもと棲んでいる。
過去を知らないボタンウサギたちからは「ボタンの魔女」と呼ばれ慕われているが、果たして味方なのか、それとも…?!