Dr.Nankuru-ナンクル博士

 

私はナンクル。南部モスリンの町に研究所を構える天才発明家だ。「ヒゲ無し」と囁く者もいるが気にしちゃいない。ひらめきを形にするのが私の使命!実現できないものなどないと断言しよう。ただし、気が乗らないものはたとえ国王に頼まれたって作らないがね。

 

研究所には助手が8名。いや、3名だったか?発明に失敗はつきものだ。最近では爆発音に怖がって町の者は近寄らなくなったが…冒険家のジーナちゃんはたまに訪ねてくれるよ。あの子は助手が嫌がる試作品のモニターを買って出てくれるからね。スリルがたまらないだなんて実にありがたいよ。

 

いやいや、失敗ばかりじゃない。完成品も多く世に送り出しているよ。国王から勲章を貰ったこともある。確か耳かき棒を…いやいや、印刷機を発明した時だ。ん?勲章を見たいって?別の発明品の材料にしちまったよ。飾っておいても何の足しにもならんだろう?妻が絶叫していたがね。

 

発明のことしか頭に無いのかと言われるが、そんな事はない。孫娘のマリアンヌが可愛くて仕方がない。なかなか会わせて貰えんのだが、あの子はまさに天使だよ!きっと空から降りて… ん? 空… ガーリックオイル… メロディ!!

 

ひらめいたぞ!おい、助手たち!新たな仕事だ!

 

 

発明と私



ヒゲと私

 

縫々王国の良識ある紳士は、高年から老年期にかけてヒゲを付ける慣習がある。つまり「ヒゲ無し」というのは「変わり者」の意味で使われる言葉だ。

 

あれは品格や貫禄が備わった気になる。

勲章を戴いた当初は、私も老舗のヒゲ店で購入した最高級のヒゲを自慢げに付けていた。

周囲からもてはやされて気分は良かったが、たまに鼻がくすぐったくなって考え事がまとまらん。

 

ある時、実験中にクシャミが出てな。はずみで大爆発!私はひっくり返り、ヒゲは宙にぶっ飛んで…風にのってどこかへ飛んでいってしまった。実に滑稽な話だ。

 

だがその日からひらめきがハラペコムシのように湧いてくるようになって、私は大忙し。おかげでヒゲを新調する暇もないというわけだ。

無論、贈呈されても付ける気は無いがね。

 

 


ナンクル印

実験や試作を重ねてようやく完成した商品には、このマークが付けられる。信頼と実績のナンクル印だ。

君の身の回りの品をあらためて見直してみてほしい。意外なものにこのマークが付いていることに驚くことだろう。

 


おわりに

 

いかがだったかな?

君が縫々王国を訪れるときには、ぜひとも私の研究所を訪ねてきてほしい。

モスリンの町に着けば、誰でも場所を教えてくれるはずだよ。

私はいつでもここで、発明を楽しんでいるからね。ふっふっふ。

 

Dr.Nankuru

 

 


*Web版では一部記載を除いています。


Dr.Nankuru

2018年9月発行

制作・編集:ナカノカナ

発行:縫々王国

価格:1000円(税別)

 

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